終活カウンセラーの視点

墓石・仏壇の元営業。終活カウンセラー。お葬式や宗教に関する裏話とか。

医療に対する希望

告知と余命宣告についての希望

現代は医療技術の進歩により、多くの命が救われる時代となりました。

たとえば「がん」。昔のドラマや映画だと、家族だけに病気が告げられ、本人は「がん」だとは知らされずに治療を続け、病名を知らないまま亡くなる人が多くいました。しかし、現在は「がん」の告知が進み、自分の病名を知ったうえで病気と闘い健康を取り戻す人も多くなりました。

では、もし今後あなたが回復不能の重大な病気にかかってしまったら、病名告知や余命告知を受け入れて人生の終末期を過ごしたいですか?それとも何も知らないままでいたいですか?

ぜひ、時間を取って考えてみてください。

おそらく、告知を受けなかったとしてもいずれ病気が進行してくれば、自分の状況を知ることになります。その時になって初めて自分の死と向き合うことになるのです。告知を受けるまでの間は、家族も本当のことを告げられないため、精神的な葛藤が大きくなりますし、医師も病名を告げないまま治療を続けなければなりません。

告知が多くなった理由

現在の医療で告知が多くなった理由は自分の病気と状況を受け入れることで、その後の治療や緩和ケアについて具体的に話をすることができ、何より、一日一日の日常生活の過ごし方も変わってくるからです。

必ずしも全員が全員そうなるわけではありませんが、多くの方がいろいろな意味で前向きな行動をとれるようになります。

確かに、告知や余命宣告を受けるということはショックを受けると思います。私にも想像のできないショックに違いありません。しかし、怒りや悲しみといった段階を踏まえて、やがては自分の死を受け入れることができるようになる方が多くなっているようです。

残された時間を誰と、どこで、どのようにして過ごすのか、病院、ホスピス、自宅などいろいろと考えられます。最近は在宅医療制度が整い始め、最後の時を自宅で過ごされるという方も増えてきています。

たとえ自分が寝たきりになったとしても、家族が自分の周りで日常生活をおくり、笑い声や食事のにおいなどを感じながら、おだやかに自分の最後の時を過ごすというものです。

あなたは、自分の終末期をどのように過ごしたいですか?自分の希望をしっかりと考え、それを必ず伝えておいてください。

多くの患者さんがたどる心の動き

多くの患者さんが告知や余命宣告を受けたときに以下の5段階の心の動きがあるといわれています。

1.否認  自分が死ぬというこの知らせは、嘘か間違いではないかと思う

2.怒り  なぜ、自分が死ななければならないのかと怒りが爆発する

3.取引  何か助かる方法がないかと、さまざまなものにすがろうとする

4.抑うつ 虚無感や無力感に襲われる

5.受容  自分の現状を受け入れていく

     キュープラー・ロス(アメリカの精神科医、著書「死の瞬間」より)

これについてはいずれ改めてテーマとして取り上げたいと思います。

今日のまとめ

病気の告知や余命宣告を受ける方は増えています。自分の病気や状況を受け入れることで、具体的に治療や緩和ケアに向き合うことができます。

自分はどうされたいか、エンディングノートなどに書きとめておきましょう。

エンディングノートの種類

市販されているエンディングノートはさまざまなものがあります。たくさんの中からどのようなものを選べばよいのかわからない方も多いかと思います。

エンディングノートは大きく分けて4つの種類に分けられます。それぞれの種類の特徴をよく理解して、自分に合ったものを選ぶとスムーズに書き進められます。

では、4つの種類について説明していきましょう。

じっくり書くタイプ

・文字が書きやすい

・ノートが開きやすい

・充実した関連コラム

・年表がついている

情報をしっかり伝えたいタイプ

・自分史がしっかり書ける

・記入項目が細かい

・備忘録として使える

思いをきちんと伝えたいタイプ

・フリースペースが広い

・意思表示項目が具体的になっている

・メッセージ欄がたくさんある

手軽に書きたいタイプ

・値段が安く、薄いノート

・質問形式になっている

・文例が豊富に書いてある

・記入方法の説明がある

どのタイプのエンディングノートを選ぶかは自由ですが、一番最初に選ぶのであれば、手軽に書けるタイプが良いかもしれません。まずはエンディングノートがどういうものかを理解することができますし、基本的な情報をまとめることで、さらに足りない部分が見えてくるからです。

たくさんの情報をまとめなければならないエンディングノートをいきなり書き始めるのはとても大変なことです。もしかすると途中で挫折して放り出してしまうかもしれません。それではせっかくの終活しようという気持ちが萎えてしまいますよね。そうならないためにも、まずは手軽に書けるタイプをおすすめします。

今日のまとめ

エンディングノートは、まずはノートの薄い手軽に書けるものを選びましょう。自分の伝えたい思いが見えてきます。

エンディングノートを書いてみよう②

前回に引き続き、エンディングノートについて書いていこうと思います。

何度でも書き直せる

エンディングノートには、特に書き方にルールがあるわけではありません。エンディングノートを記入してから時間が経つと、記入したときと気持ちが変わり書き直したくなることもあります。

今は消せるボールペンもありますので、気持ちが変わったらいつでも書き直すことができます。書き直した場合は日付を入れておくといつ書き直したかが分かり便利です。

また、一度にすべてを書き込む必要はありません。落ち着いてゆったりとした時間を取れるときにエンディングノートを開いて、書けるところ、書きたいと思うところから書き始めましょう。

そして、自分が判断に迷うような項目は、無理にその時に書き込まず、その項目に関することを調べてから記入したほうが良い場合もあります。終活に関する本を読んだり、セミナーや講習会に参加してみたり、周囲の方の話を聞いたりして自分が納得してから書くことが大切です。

できれば、自分にとって優先順位の高い、緊急性の高い項目から書くとスムーズに書き進められます。たとえば、「医療」や「介護」についてどう考えているのか、また、万一のときなどの緊急時の連絡先などが優先順位や緊急性の高い項目かと思います。

 

自分の生きた経歴や思い出

自分の過去を思い出して書き記していくと、自分を客観的に見ることができます。今まで自分がどのような生活を送り、何に喜び、何に悲しみ、何に腹を立てたかを思い出していくうちに、自分の人生の意味や発見があるはずです。そして、何となく不安に思っていることが明確になり、これからやるべきことも見えてきます。

さらに、自分の好きな映画や音楽、食べ物、景色、国、遊び、花など思いつくことがあれば何でも書いてみてください。これらの情報を介護や医療に関わる人と共有できれば、自分の理想により近く充実度の高い医療や介護が受けられるはずです。

もっと充実させたければ、自分が生きてきた道のりを文章や写真でアルバムにしても良いかもしれません。自分の子供や孫とのコミュニケーションツールとしても最適なものになります。

今日のまとめ

エンディングノートはいつでも書き直しができます。自分の優先順位や緊急性の高い事からノートに書き込みましょう。

自分の過去を振り返り、これからやるべきことを明確にするツールとしてエンディングノートが役に立つはずです。

 

エンディングノートを書いてみよう①

人生の最後を迎えるにあたり、自分の思いや希望を家族や友人に確実に伝えるために「エンディングノート」というノートがあります。

遺言との大きな違いは、遺言は亡くなった後の希望や指示を書きますが、エンディングノートは現在から亡くなった後のことまで幅広く書けることです。

ただし、エンディングノートは遺言と違い法的な効力がありません。あくまでも、思いや希望を伝えるためのツールとして考えてください。

市販されているエンディングノートには、あらかじめ終活に必要な事項が記載されているので、記入しやすいのが特徴です。もちろん、自分でお気に入りの手帳やノートを探してそれに書くこともできます。

自分に何かあった時に、家族がエンディングノートを手にすることができれば、本人の意思を確認することができ、家族はさまざまな決断の後の、後悔や迷いも少なくなります。こういうことからも自分だけでなく家族のためにも必要なのがエンディングノートです。

自分自身と家族への大切な「記録とお願い」がエンディングノートの主な目的ですが、実際には以下のようなことを書いていきます。

・自分の生きてきた経歴や思い出など

・医療や介護の希望

・お葬式やお墓の希望

・財産や保険のリスト

・万一の連絡先リスト(親戚・知人など)

・遺言書

このような形で自分の思いを残すことで、家族や残された人にも自分の意思を伝えることができます。

エンディングノートを書いていくと自分の気持ちを整理、確認することができ、これからの人生を前向きに考えることができるようになる方が多いようです。

ただし、書いただけではただの自己満足に終わってしまいます。これからの人生で自分で自分の思いを伝えられなくなった時でも、エンディングノートを家族が手にすることで、自分の希望する最後を送れるように作成するものです。

ですので、折に触れて家族に自分の希望を伝えることが大切です。また、万一の際にすぐに気付いてもらえるようにエンディングノートを作成していることも家族や周囲の方に伝えておくことも必要です。

亡くなってから数年後に遺品を整理していて「エンディングノートが見つかった」などということにならないように対策を考えておくことも大事になってきます。

せっかく準備したことが全て無駄になってしまわないように、日頃から自分の希望を話したり、エンディングノートを書いていることを伝えておきましょう。

さあ、あなたも終活しませんか?

終活を始めるタイミング

終活っていつ始めたらいいのかと多くの方が思われるのではないでしょうか。

終活を始めるタイミングは人それぞれです。何となく「終活」や「エンディングノート」に興味を持ったら、きっとその時が終活を始めるタイミングではないでしょうか。

終活のタイミングとして、人生の大きな節目に終活に興味を持ち始めるケースが多いようです。主なタイミングとしては、

・定年退職、還暦、古希などの人生の節目

・告知や余命宣告を受けたとき

・周囲で困ったり、もめた事例を聞いたとき

・テレビや雑誌の特集で気になったとき

・セミナーや講演会で話を聞いたとき

エンディングノートに興味を持ったとき

・子や孫から勧められたとき

といったときが興味をもたれるタイミングのようです。

何かしら環境が変わる状況にある人は、配偶者や子から節目のタイミングを利用して、万一の段取りについて準備するよう促されることもあります。日頃から気になっていたけれども、終活の内容は直接本人には聞きにくいことも多いので、節目のタイミングでそれとなく切り出すというケースです。それまでに配偶者や子が、周りで介護や相続でもめたケースを見ていたりすると、やはり事前に考えておくことが大切なことだと分かるからです。

一方、必要に迫られて終活を始める方もいます。ガンなどの病気で余命告知を受けた場合です。最初は現実を受け入れがたい状況で、本人も家族も戸惑います。しかし、徐々に現実を受け入れて、残された人生をいかに有意義に過ごすか、家族が困らないように終末期やお葬式のことなどについて自分の希望を考えるようになります。そんな時も大切なことを忘れたり、伝えもれのないようにエンディングノートなどを活用することをお勧めします。

いつ始めても早すぎることはありません。ただ、順番としては自分にとって優先順位の高いところから少しずつ書き始めることをお勧めします。

一度にすべてを書き記すことはできませんので、気になることから自分の気持ちを整理しながら、情報収集を行いながらひとつひとつ進めていくのが良いと思います。

「気力・体力・判断力」が充実した状況で終活に取り組まれるのが理想です。じっくり腰を据えて情報を収集し、考え、選択して準備をしていきます。そして、最終的には家族を巻き込んで自分の希望や要望を家族に伝えなければなりません。

そう考えると、「そろそろかな。」と思った時が終活を始めるベストなタイミングなのではないでしょうか。

さあ、あなたも終活しませんか?

終活を行うことで期待できる7つの効果②

さて前回に引き続き、終活を行うことで期待できる7つの効果について説明したいと思います。

 

4.これからの生き方が明確になり、不安が減る

終活は自分の過去を振り返るとともに、未来にこうありたいと考え、これからの人生に起こることを想定しながら準備をしていくため、自分が望む最後を迎えるためには何をしなければならないのか、何を伝えておけばいいのかを明確にすることができます。

つまり、「老い支度」や「死に支度」をすることで、不安や問題点が明確になるとともに、その不安や問題点を解決することができます。そうすることでより生き生きと目的を持った人生を過ごせるようになります。

 

5.これからの経済的な目途が立つ

具体的に自分の思いを形にすることができれば、何年後にいくら、こうなった状態の時にいくら必要かがだいたい分かってきます。年金はいくらもらえるのか、年金だけで生活費は足りるのか、入院したら保険がいくら支払われるのか、預貯金は最後の時まで持ちそうか、などといったことが具体的に分かるようになるので、事前に対策を打つことができます。

 

6.家族も「もしものとき」の準備ができる

より具体的に何をどうして欲しいのか希望をまとめておける「エンディングノート」のようなものがあれば、それを見た家族も万一に備えて準備することができます。また、事前に家族と話しておけば、それぞれがどのように考えているのか、家族からの意見や要望を聞くこともできます。

 

7.しきたりや家族のルーツなどを申し送りできる

 今は家族のつながりが昔に比べ疎遠になってきています。「家」を守るという考えも古い考え方で、自分のご先祖様はどんな人だったのか、といった情報が途切れてしまうことがあります。先祖からのしきたりや、家族のルーツを子供や孫たちにきちんと伝えられたら素敵なことだと思いませんか。それを調べるうちに自分の知らなかった家族のルーツが再発見されるかもしれません。

もし、最後の時が突然訪れたり、認知症になってしまい思い出すことや伝えることさえもできなくなったら、大切な家族の物語を次の世代に伝えることができなくなってしまいます。折に触れて思い出したり、調べてみたりして書き綴っておくと良いでしょう。

 

まとめ

終活にはやるべきことがたくさんあります。前回と今回の7つの効果を期待するだけでもかなりの時間を要することになります。とにかく体力・気力・判断力が必要です。終活はこれからの人生をよりよく生きるための道標になるものです。なるべく早く始めることが大事です。

さあ、あなたも終活しませんか?

 

終活を行うことで期待できる7つの効果①

あなたがこれからの人生をよりよく生きるためには、「これからの自分」がどうなりたいかを考えることが大事です。どうなりたいかを考えることで本当に自分が見えてきて、新しい行動を起こすきっかけにもなります。

これは脳機能科学者の苫米地英人さん(苫米地さんはたくさんの著書があり少し怪しげな本も出版されているので、好き嫌いが分かれるかもしれません。)が著書でよく書かれていることなのですが、「時間は未来から現在、過去へと流れる」という考え方に似ています。

たいていの人は、「時間は過去から現在、未来へと流れる」と考えています。このことを当たり前の事実と受け止めています。「現在の自分の状況は、過去の行動の結果だ」と考える方が多いのではないでしょうか。

しかし、「現在の結果を決めるのは過去に行動ではなく未来にある」と意識を変えるのだそうです。「これからの自分」がこうなるといいなあ。とゴールを決めることで、そのゴールに到着するために「現在の行動」が変わってくるという考え方です。苫米地英人さんのすべての著書に納得しているわけではありませんが、この考え方は「なるほどなあ。」と腑に落ちました。

そんなことを考えながら実際に終活を行うことにより、7つの効果が期待できます。少し長くなりますので、2回に分けてしっかり説明したいと思います。

 

1.慌てなくてすむ

もしも、自分の老後や死後のことを何も準備していなければ、家族が急にさまざまな選択を迫られることになります。しかも、本人が自分の意思を伝えることができる状況なら良いのですが、意識不明や認知症になってしまった場合、本人の意思を聞き出すこともできません。そこから家族の葛藤が始まります。事前に本人の意思が確認できていれば、多くのことは解決できます。

 

2.後悔が少ない

「もし、自分が死んだらちゃんとしてもらえるのだろうか?」と不安を抱えている高齢者は多いそうです。日本人は自分の希望よりも、周りに迷惑を掛けないことを考えてしまいがちなのです。しかし、周りの人間はあなたが居心地良く暮らすことや自分らしくいられることを望んでいます。自分も家族も後悔しないために、お葬式やお墓のことはもちろん、延命治療や介護をどのようにしたいのか希望、そして費用はどうして欲しいかなども具体的に伝えておくことが、自分や家族の後悔を軽減させます。

 

3.医療者や介護者に自分の意思を知ってもらえる

介護や治療の方針を立てる上で、本人の希望があればとても参考になります。さらに、日常生活を送る上で、好きな食べ物や音楽、自分の趣味といったことをエンディングノートなどに記載しておけば、施設や病院で少なからず配慮してもらえるはずです。他にも、家族関係を記載しておくと介護者や医療者が家族と接する上で非常に役立ちます。

 

残り4つは次回ご紹介したいと思います。

自分らしい未来のためにあなたも終活しませんか?